埋葬施設内の死者の頭の位置と思われる場所から、管玉3枚・ガラス小玉289顆(か)とともに出土した1枚の勾玉です。勾玉の頭部の孔(こう)から放射状に3本の溝が刻まれる丁字頭(ちょうじがしら)勾玉と呼ばれる種類のもの。C字型の胴は細く長い特徴を持ち、断面は孔部が少し楕円になる以外は円形です。表面には一部に粗割(あらわり)時の剥離痕(はくりこん)が認められる以外丁寧な研磨で、使用痕と見られる擦痕(さっこん)が認められます。石材は暗い赤茶色の瑪瑙(めのう)で透明感があり、色は加熱したものです。孔の開け方は片面からで、裏面に孔を開けたときの圧力で割れています。 長さは26.6mm、幅6.4〜9.2mm、重量は4.5gです。(しのゆ)
宇都宮市教育委員会所蔵
参考:宇都宮市教育委員会 1996『塚山古墳群』─道路改良工事に伴う発掘調査─ 宇都宮市埋蔵文化財調査報告書第40集
※一世紀を初葉・前葉・中葉・後葉・末葉の20年毎に分割
長さ36.1mm 幅23.0mm 厚10.8?10.3mm 初孔径3.4mm 終孔径2.0mm 重量16.2g(しのゆ)
那珂川町教育委員会所蔵
長さ22.4mm 幅13.35mm 厚6.0〜9.25mm 初孔径3.3mm 終孔径2.1mm 重量3.3g(しのゆ)
栃木県所有/栃木県埋蔵文化財センター保管