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栃木県埋蔵文化財センター様
 はじめまして。私は現在韓国にて古代史の勉強をしている者(日本人)です。最近七支刀のことについて少し勉強しておりますが、韓国の方で七支刀に関する論文をさらっておりますと、「栃木県小山市喜沢の古墳にて出土した鉄刀が七支刀ではないが形態がよく似ていて、銘文もあるという。古墳は5世紀〜6世紀のものという」という文章を見つけました。江田船山や稲荷山との関係で七支刀が論じられることはありましたが、その際この論文で言及されるような資料はまったく知りませんでした。ネットの検索でも思うように引っかかってきません。七廻り鏡塚古墳のことをいってるのかも知れません(ウェブで見させて頂きました)が、写真を見る限り、そうでもなさそうですね(しかも太刀はも少し下がるのでは?)。
 というわけで、栃木県埋文の先生なら、どなたかご存じではなかろうかと思い、筆(指)を執った次第です。
 なにしろ現況では、私自身がとうてい探し出せるものではありませんので、調査員の方々におすがりするより外ないのです。とくに性急なものではありませんので、まずは簡単にありそうだとかなさそうだ、という連絡だけ頂ければ幸いです。

大韓民国在住 S.hさん

ご質問にお答えします。
 「栃木県小山市喜沢の古墳にて出土した鉄刀が七支刀ではないが形態がよく似ていて、銘文もあるという。古墳は5世紀〜6世紀のものという」との記載事項への確認についてですが、下記の通りです。
 栃木県小山市喜沢の古墳とは、小山ゴルフ場内古墳群の桑57号墳を指しているものと思われます。同古墳は、昭和46〜47年にかけて発掘調査が行われ、木簡直葬の埋葬施設から、直刀・鉄剣・蛇行剣・銅鈴・ボウ製鏡・天冠などが出土しました。古墳は直径32.4mの帆立貝式古墳で人物埴輪などを持つものです。
 七支刀に類似するとされたものは、蛇行剣と想定されますが、銘文はありません。蛇行剣は、全長73cm、身長58.2cm、茎長17.8cm、区巾4.6cm、厚さ5mmで身に萢が通らず、両刃の剣造りでありながら、切先は刀造りです。身は、それぞれ浅い3つの弧を交互に平行に描く様な形状で、弧の交点が鈍角の三角形となり突出しているため、七支刀と対比されたのでしょうが、別の系譜の大刀と考えられています。
 以上、参考になれば幸いで御座います。

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