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なんか・・・すごい変な質問なんですけど、縄文時代に、焼いもってあったんですか?なんか、気になって。。。知っていたら、ぜひ、おしえて下さい!!!

U.mさん

マグロのご質問と、発信日は別の日でしたが、受信は同日になってしまいました。毎度のご質問ありがとうございます。
 さて、焼き芋を食する文化の有無についてですが、考古学的には「分かっていません」と答えるしかありません。なぜなら、考古学というのは、難しく言うと「物証史学」と言い、モノを証拠に理論を組み立てていく学問だからなのです。ですから、焼き芋が出土していないと語れないのです。将来、縄文人が焼きすぎて、炭にしてしまった焼き芋が出土することをU.mさんも祈っていてください。
 しかし、この程度の回答では埋文センターとしては芸がないので、現在の研究から考えられることをお話ししましょう。
 当時の食生活を考察する手段に、気候や地質などの植生と出土した植物遺体から類推する方法と、道具から類推する方法とがあります。
 縄文時代は約一万年の時間幅があります。その間には、氷河期の終烽竅A温度が上昇して海面が上昇する時期などがあり、現代と近い気温になるのは約2000年前のことです。ですから、どの時点での植生を考えるかで話は違ってきますが、そんな厳密な状況ではなく、東アジアの温帯から暖帯に分布する植生と、日本の在来種という観点から見ていきますと、
 ヤマノイモ(やまのいも科ヤマノイモ属)=所謂ジネンジョ。
 トコロ(やまのいも科ヤマノイモ属)=食用にするには苦い。
 ヒメドコロ(やまのいも科ヤマノイモ属)=本州の関東以西と四国・九州に自生する。
 テンナンショウ属(さといも科テンナンショウ属)=37種類あり本州・四国・九州に自生する。
 が縄文時代に自生していた所謂「いも」になります。
 これらのいも科の植物は、食用する部分が地下茎となりますので、採取には「掘る」という作業が必要となります。現在ではクワと掘り棒の2種類があり、クワはL字の先端に金属の刃を着けたもの、掘り棒は長い棒の先端に金属の刃を着けたものです。縄文時代には、打製石斧という道具があり、一説にはこれを土おこしにも使用したのではないかと言われています。ですから、現在のクワと掘り棒の先の刃の役割は、もともと打製石器が担っていたとも考えられるわけです。
 つまり、縄文人は芋を掘って食べていた!! と考えられるのです。当然、火は使用していましたから、焼き芋にすることも可能です。しかし、今のサツマイモではなかったので、直火で焼いたり、蒸し焼きにしたりしても、今ほど美味しかったかは疑問です。
 因みにサツマイモの原産地は、メキシコを中心とする熱帯アメリカで、日本には、1597年に宮古島に入ったのが最初と言われています。その後、1609年以降に薩摩へと伝わり、江戸時代初〜中期には、飢蚫の救荒作物として注目され、全国にひろまりました。現在、在来種といわれるものに、源氏・蔓無源氏・四十日・花魁・太白・紅赤・七福などがあり、いづれも明治時代に輸入されたものです。

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