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少し専門的な話なのですが、どうしても自力で答えが出せないので質問させていただきます。
 『岩波講座 日本考古学1』という本を読んでいたのですが、その本のP93ページの上に松本彦七郎の層位概念と土器分類という表がのっていたのですが、( )内の数字や数字の肩に付いている’や”の意味がよくわかりません。この表はどのように読んだらいいのでしょうか?詳しく教えていただけると幸いです。

N.tさん

ご質問ありがとうございます。同論文の引用文献は、松本彦七郎氏が大正八年五月二十五日発行の『人類學莇誌』第參拾四巻第五繩の161頁に発表された「○陸前國寶ヶ峰遺蹟の分層的小瓣掘成績」で、その中の表を転載したものです。ですから、同論文を読みませんと本来的な表の理解は出来ないことになりますが、概述すると、前半は発掘に至る経緯と土器分類の根拠を述べています。そして、下の抜粋の表説明の後、表の分析を行い層位間の遺物関係と新旧関係を明らかにし、最後には土器の厚手薄手と時期関係の分析を行うといった内容になります。
 お尋ねの表の凡例の部分ですが、
 「以上には底面の紋樣を度外視し、又底面のみの破片を含まず。底面は別に無紋網代紋及木葉紋の三種に別つ。底面以外の文樣にて既に何處かに數へられし破片にして底面の部にも重複して數へられたるが如きものゝ數は肩褶を附して示す事とせり。數個の破片にして一個の土器に屬する事の明なるものは一個に數へ、一個の土器に屬するか否か疑の存するものは強ひて一個に數ふる事をなさず。百分率は層別にして全不明の破片及底面のみの破片を除きたる以外の破片の窶數を以て百としたり。破片の實數は上に括弧なき數字を以て示し、百分率は下に括弧内の數字を以て示す」
 とあり、()は相違毎の%、’は重複数を示すことになります。
 学問的研究は出典を確認することから始まりますので、機会があったら引用文献も一読されることをお勧めします。

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