ご質問ありがとうございます。
O.rさんは、どこで狩りの時にサングラスを着けていたと聞いたのかな?
確かに、以前、こういう説がありました。しかし、今では、狩りの時にサングラスを着けていた説は、否定されています。
では、狩りの時にサングラスを着けていた説とはどういうものか、また、なぜ、否定されているのかをお話ししましょう。
今から3,000年前の、縄文時代晩期、東北地方で流行した土偶(どぐう)に、遮光器土偶(しゃこうきどぐう)があります。この遮光器土偶の特徴は、大きな腫(は)れぼったい瞼(まぶた)を閉じているような目にあります。
明治24年(1891)、坪井正五郎という考古学者(人類学者)は、イギリスの大英博物館で、シベリアの人が、雪の反射光を避(さ)けるために使用する遮光器(しゃこうき)〔板に細い線のような切れ目を入れ、それをメガネのように使用する=雪眼鏡(ゆきメガネ)〕を見つけました。そして、日本の土偶でよく似たものがあることに気が付き、あの土偶の目はこれだったのかと、遮光器土偶と名前をつけました。
ところが、その後、遮光器土偶が多く発掘され、色々な分析をしたところ、土偶の模様や飾りの部分の表現の変化に合わせて目の形も変化することがわかりました。つまり、最初は遮光器のような目ではなく、模様が派手になったとき、目も遮光器のようになったのだと考えられるようになり、現在の研究では、狩りの時に遮光器(サングラス)を使用していないと考えるようになりました。
今後、木でつくられた遮光器が、腐らずに残って出土したら考え方は変わると思いますが、今のところ、遮光器(サングラス)が出土していない以上、日本ではサングラスは無かったということになります。
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